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五十肩について:五十肩の原因

五十肩の原因

五十肩になる原因は、まだはっきりとわかっていません。ただ、これまでの経験から、腕を上げた状態で長時間作業をしたあとにおこりやすい病気だということはいえます。特に、樹木の手入れをしたあとや大掃除で高い場所を拭き続けたあとに発症することがよくあります。ものを持ち上げようとした瞬間や、テニス、ゴルフのスイングなどの最中に突然激痛におそわれ、それ以降、肩を動かすたびに痛むケースも多いようです。

また、ムリな姿勢をとったり、打ち身を起こしたことから五十肩になったという場合もあります。

一説に糖尿病の患者に発症率が高いともいわれましたが、調査の結果、関連性はないことがわかっています。

五十肩発症のメカニズム

なぜ、五十肩が起こるのか、肩の仕組みについて説明します。

一口に肩といいますが、これがなかなか複雑な構造をしています。肩は、前後・左右に動くのはもとより、ほぼ360度にわたって回転でき、人体の関節の中では最も動く範囲が広い関節です。しかし、こうした多用な動きに対応するために、肩関節の仕組みはかなり複雑なのです。

肩関節とは、腕の骨である「上腕骨」と、「肩甲骨」とのつなぎ目を指します。上腕骨の上端にある丸い「骨頭(こっとう)」は肩甲骨のくぼみにはまりこんでいます。このくぼみは非常に浅くできているために、上腕骨の動く範囲が広いという反面、はまり方が浅いので、関節が不安定で脱臼しやすいという弱点があります。関節を取り囲む袋(関節包)がありますが、十分に強いとはいえません。

肩関節の周りは「肩甲下筋」「棘上筋(きょくじょうきん)」「棘下筋」「小円筋」という複数の筋肉が前から上、後へと順番に取り巻き、支えています。これらの筋肉の周りには、「滑液包(かつえきほう)」とう袋があって、潤滑油のような働きをする「滑液」をつくり、筋肉と腱の動きをよくしています。

さらに、肩甲骨と鎖骨はいくつもの靭帯でつながっています。これらの筋肉はそれぞれ、コラーゲンの線維から成る「腱」によって、骨と連結されています。腱は平べったい、板のような形をしていることから「腱板」と呼ばれます。この腱板は、関節を安定させるために役立っているのですが、この「腱板」が五十肩の発症にかかわっています。

腱板の性質と炎症

五十肩は関節の周囲に炎症が起こる病気なのですが、その炎症が最も多く起こる場所が「腱板」なのです。腱板で炎症が起こりやすい理由は2つあります。

第一の理由は腱板自体の性質です。腱板は線維組織からできているため、加齢とともにもろくなりやすいのです。しかも、もともと血管が少ない部位で、いったん傷つくと修復されにくい性質があります。50歳代は老化が進みやすい年代ですから、ちょっとした力が加わるだけで傷ついて、炎症を引き起こしやすくなることが考えられます。

炎症

腱板で炎症が起こりやすい第2の理由は、腱板の中でも「棘上筋」の腱板は構造的に炎症を起こしやすくなっていることです。肩峰の下の面と骨頭との間が狭く、腕を上げるたびに腱板が肩峰にあたります。この衝突が長年にわたって繰り返されるうちに、腱板が傷んで炎症を起こすようになるのです。

こうして腱が傷んで炎症を起こすことで、滑液包や関節の内部にも炎症が波及するのが五十肩の原因であろうと考えられます。

運動制限が起こる範囲

実際に私たちが腕を動かすときには、肩の関節と肩甲骨の動きとが巧みに共同して働いています。

腕を上に上げる場合を例にとれば、肩甲骨の動きによって腕が動く範囲がだいたい60度、肩関節によって動くのが120度、両方動くと180度になるわけです。

ここで注目してもらいたいのが、肩甲骨は筋肉だけで胴体とつながっている点です。ですから、五十肩で肩関節が癒着しても、60度までは肩甲骨の働きで肩を動かすことができるわけです。

五十肩チェック

自分で簡単に肩の動きを調べる方法があります。そらは反対側の肩の動きと比較すればよいのです。鏡の前に立って、両腕を横から上に上げてみましょう。

同じ角度まで上がらなければ、動きの制限があるのです。

問診と触診

五十肩には「肩から腕が痛み、肩の動きが制限される」という特徴があるので、問診と触診が何よりも大事です。

問診では痛みが起きる部分、「何をしたときに、どのように痛むのか」など、腕の動きと痛みとの関連などについて詳しく聞きます。

また、要所要所を1つ1つさわったり圧迫したりして、症状が五十肩とよく似たほかの病気ではないかを根気よく見分けていきます(鑑別診断)。患者の方を裸にさせない医師を良心的だと誤解するかもしれませんが、ちゃんと「服を脱いで、肩をみせてください」という医師のほうが信頼できる医師といえます。

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